33.念願だった峠越え(徳本峠②)

暫く留守にしていた我が家にやっと戻ることが出来ましたので、徳本峠越え(其の二)を纏めることにします。

【 蛇足として本文とは関係のないことなのですが、出先(入院先の病院)で私のブログを見たら、表示するまでの時間がとても掛かることが判りました。  これは画像数が多く、画素数?も多いのではないか、ということで今回は少し方法を変えてみました。】

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前回は徳本峠に着き、その夜は見知らぬ熟年女性二人と川の字になって寝た、まででした。

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「徳本峠小屋」 で川の字になって寝た熟年女性と私の間には何事もなく、残念ながら夜が明けてしまいましたが、6時半頃起きだし外に出てみると あまりの寒さにビックリ。 それに小屋の周りにある雪も凍っています。 
それでも今日もまた快晴で 嬉しくなってしまう。

その熟年女性が見つめる「明神岳と穂高連峰」

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徳本峠小屋の正面玄関前での記念&証拠写真

朝食を済ませ、小屋の親父さんにお礼を言い出発しようとすると、親父さんが 
「そこに置いてある杖を持って行きなさい。途中道が凍っているから役に立つでしょう。下に着いたら、杖は何処か適当に立てかけて置いてくれればいいから」。
邪魔だと思ったが折角のご厚意を無にしては申し訳ない、それに何処でも適当に、と言うこの大雑把さが気に入ってしまいました。

8時少し前、同衾?のお二人は東へ、私は西へ それぞれエールを交換して峠を下ることにしましたが、もちろん名前も知らない同士だったのですが、何故かしら親近感が湧いていた別れでした。


今日の予定は、これから 「明神の出会い」 まで峠を下り、そこから左折して 「上高地の河童橋」 まで行き、バスで帰ることにしています。

峠から明神への下りは思っていたよりも急な斜面で、そのうえ径が凍っていて 杖を借りてきたことが幸い、それでも2回ほど恥ずかしながら転んでしまったのだから情けない。

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「明神の出会い」 に着いたのが8時40分頃。
このまま上高地へ行くのでは、いくら何でも早過ぎる。
サ~テ これからどうしよう

上高地の河童橋からみる穂高連峰の景観の美しさは知っているが、この梓川を遡るとまた違った美しさがあるかも知れません。
そうだ、徳沢まで行ってみよう。
           

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徳沢まで来たが、その風景は思っていたようではありません。

この 「徳沢」 井上 靖の小説 「氷壁(1963年出版)で一躍その名が知られたような記憶があります。
その当時、私もその小説に触発されてカミサンとこの「徳沢園」に泊まりに来たことがあるのですが、一日中雨で閉じこめられ退屈で退屈で仕方がなかった ことを思い出してしまいました。

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それではもっと奥まで行ってみよう。

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そしてとうとう辿り着いたのが 横尾山荘
そこにいる数人の人たちは登山の重装備をしており、これから先は私のような者が行ってはいけない聖域のような気がしてきます。

仕方がない いま来た道を戻ろう。

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横尾山荘からの戻り路でのスナップですが、明神橋だったかなぁ? 

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明神池の傍の池に写る「明神岳」

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同じく戻り路でのスナップ。

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上高地に近づくと「焼岳」が見えてきました。

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梓川」と「焼岳」

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もうここは「上高地」で、お馴染みの素晴らしい眺めです。

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「上高地」からのバスには3~4人ほどきり乗っておらず、終点の 「新島々」 でバスを降りるとき
「どうぞお気を付けてお帰り下さい」
という車掌の言葉と、そして徳本峠小屋の親父さんに、何か心温まるものを感じた 「念願だった徳本峠越え」 の二日間でした。

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32.念願だった峠越え(徳本峠)

今回のテーマは念願だったことを達成した話で、それも二十歳頃から行きたいと思い続けていた場所のことです。

その念願とは、長野県の松本の奥に在る「島々」という所から、「徳本峠(トクゴウ峠)」を越えて、「上高地」へ下るコースを歩くことだったのです。

このコースのことをガイドブックで見ると 
「徳本峠(トクゴウ トウゲ)越え」 は 「ウエストンはじめ日本の登山史を飾る先人たちが歩いたコースで、今でこそ梓川沿いの国道が整備され、登山客もハイカーもバスで運ばれて行くが、昭和8年以前はこの 「徳本峠」 越えが上高地への唯一の道であった」 と紹介されていて、

そのタイムテーブルには 島々宿 ~(徒歩2時間)~ 二股 ~(徒歩2時間)~ 岩魚留小屋 ~(徒歩2時間30分)~ 徳本峠(2135m)
徳本峠 ~(徒歩1時間)~ 明神 ~(徒歩1時間)~ 上高地河童橋

さらに 
「率直に言って単調で長く、しかもそこは全て樹林帯のコースで、新島々駅前からバスで上高地へ直行すれば良かった、と途中で必ず後悔したくなる」 と書かれていました。

Photo_29 これが周辺地図で、赤の点線が歩いたコース。

5時方向に在るのが「島々」と言う出発地で、

島々 二股 徳本峠(泊) 明神 徳沢 横尾山荘 明神経由 上高地 

が終着地 のコースになります。 

なお、青点 は三木秀綱奥方の碑、黒点 は「岩魚留小屋」、そして 赤点 が「徳本峠小屋」

タイムテーブルによると徒歩時間は6.5時間ですから、60歳過ぎの一人歩きですから7時間以上の見積もりが必要でしょう。

そこで11月の連休明けの或る日 出掛けること決め、前日は新島々駅の傍に在る「島々妙鉱温泉」に泊り、翌日の早朝出発することにしました。

さぁ いよいよその当日です。

7時半頃に宿を出発、島々からのバス通りを標識に従い右折すると林道になりますが、人も車も通らない静かな、そして平坦な紅葉の道が「二股」まで続いています。

Photo_306これはその途中で撮ったものですが、紅葉真っ盛り。

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これも同じく林道から撮ったものです。

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「二股」を直角のように曲がると、いきなり山路になります。

沢沿いの路ですが急な登りはなく、画像のような感じで続きます。

暫く歩くと、道の左側に「三木秀綱奥方の碑(青点)」がポツンと建っていました。 

よく見ると「三木秀綱夫人・・・」と書かれていますが、誰も居ない山道でこの様な碑を見るのはチョット背筋が という感じです。

Photo_311 これが三木秀綱の奥方の碑(青点)で、次のような言い伝えがある のだそうです。

時は戦国時代、戦に敗れた三木秀綱は城を追われ自分は「安房峠」方面へ、奥方はこの徳本峠を越えて落ち延びたのですが、その途中でのこと。
狩人に行きあった奥方一行は道を尋ねた。しかし狩人は
「こんな山奥に若くきれいな身なりをした女がいるわけねえ、なんかが化けているにちげえね」
と思い込み、奥方がいくら説得しても聞き入れず、とうとう「ズドーン」と引き金を引いた。

奥方は嘆き恨み、懐の鏡に身を写しながら、
「鏡は女の魂の宿るところ、魂は永久に鏡に残り恨みをはらさん」
と髪を逆立て息絶えた。

その奥方を弔うための石碑です。

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途中には桟道も続きます。

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これも途中の風景ですが、周囲は樹林に囲まれて見通しは全くききません。

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この様なベンチも有りますが、あまり人が入らないのでしょうか苔むし、朽ち果てていました。

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この辺りでの物音は沢の音と歩く足音だけで、自分の足音にサルかと振り向き、苔むした倒木に熊ではないか と恐れ慄きながらの路が続きます。

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橋の向こうに見えるのが「岩魚留小屋黒点)」。

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岩魚留小屋を過ぎ、沢沿いで割と平坦だった路が、沢から離れるといきなりジグザグの急な登りに変わり、落ち葉に埋もれた路も雪に覆い隠されてきました。

代わりに木々にくくられた赤い布が路を教えてくれるようになります。

 

そして樹林帯続きだった この急な路を登り切った瞬間 パッと目の前が開けた

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目線の高さのような所に穂高連峰があるではありませんか。

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そうです。ここがいきなりの「徳本峠」なのです。

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これが憧れだった「徳本峠小屋」(2135メートル 赤点)で、今夜はここに泊まります。

島々から殆ど休むことなく歩き続けたためか、「徳本峠」に着いたのが14:30頃、着くまでとうとう誰にも会いませんでした。

日本 イヤ世界でも著名な観光地である「上高地」のすぐそばに、このような浮世離れした所があるのです。
何しろこの小屋にある文明の利器は「電話と石油ストーブ」だけ。
電気はもちろん 水もない トイレも屋外。

暫くすると上高地側から熟年女性二人が登ってきました。
話しによると今夜はここに泊まり、明日島々へ下るとのこと。
 
夕飯を食うと 後はもう寝るだけ
けれどもここから見上げた空は一面の星、この星空の凄さは何と表現したらいいのでしょう 

今夜の泊まりは熟年女性二人と私、あとは小屋の親父さんだけで、我々泊り客三人は川の字になって寝ましたが、けっこう寒い。 

この小屋も、来週からは冬期閉鎖にするとのこと。

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【お断り】 私のブログを見て下さっている方々へ

よんどころない事で、ひと月くらいPCを扱えない所へ行くことになり、今回のテーマも、到着した「徳本峠」で時間切れになってしまいまして、やむを得ず (其の1) としました。

この続きは (其の2) として 戻ってきたらお話させて頂こうと思っていますので、どうぞ宜しくお願いします。 有難う御座いました。

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